世界のビーツのサラダ〈ロシア・北欧〉
ロシアとフィンランド、スウェーデンのビーツのサラダを4種作ってみました。
作ってみたのは
・毛皮のコートを着たニシン(ロシア)
・サラダ・ヴィネグレト(ロシア)
・ロソッリ(フィンランド)
・ビーツのサラダ(スウェーデン)
の4種です。
一応レシピ書いてますが、分量はお好みで調整してください~。
毛皮のコートを着たニシン Shuba
インパクト抜群の見た目に名前!この特徴的なサラダは1918年にとあるバーのオーナーが酔っ払いのケンカから自分の店を守るために考案したのだそうです。ボリュームたっぷりで酔いが回るのに時間がかかるというわけ。今ではお正月のごちそうの定番料理です。下からじゃがいも、ニシン、にんじん、ビーツ、(お好みで)ゆで卵という風に具材を積み重ねていきますが、酢飯、刺身、にんじん、新生姜の甘酢漬け、錦糸卵と見立てるとロシア版ちらし寿司にも思えます。少し手間はかかりますが、作り方自体はシンプル。美しい見た目にテンションが上がるサラダです。
今回はビーツの缶詰を使いましたが、普通は生のビーツをゆでて使います。できれば生のビーツをゆでて使うのがおすすめです。また、ニシンの酢漬けはイケアのものを使いました。
甘酢(個人的なイメージは天津飯の甘酢だれ)なので好みは分かれるかもしれません。ただでさえビーツが甘い上に甘酢が加わるので正直私には甘すぎて塩気がほしいと感じました。ですが夫はえらく気に入っていました。ニシン漬けはなかなか手に入りにくいので、鯵の刺身を塩漬けして作ってみるのもありではないかと思います。
材料(9cm×9cm×4.5cmのセルクル2つ分)
じゃがいも | 3個 |
にんじん | 2分の1本 |
ビーツ(缶詰) | 15枚 |
新玉ねぎ(普通の玉ねぎでも) | 4分の1個 |
ニシンの酢漬け | 1瓶(漬け汁の水気を切って約140g) |
卵 | 1個 |
マヨネーズ | お好みの量 |
ディルやイタリアンパセリなどのハーブ(あれば) | お好みの量 |
作り方
1.じゃがいも、にんじんはゆでます。火が通ったら鍋から取り出して皮をむき、スライサーで千切りにします。じゃがいもは崩れやすい種類のものはマッシャーで潰しても。
2.ゆで卵を作ります。ゆであがったら卵の皮をむきおろし金などで細かくします。(ここでは結局黄身と白身は別々にしてますが結局混ぜました)
3.新玉ねぎを薄くスライスし(普通の玉ねぎの場合はみじん切り)、汁気を切ったニシンと混ぜます。
4.ビーツはスライスします。(1個丸々ゆでたものは皮をむいてスライサーで千切りにします)汁気が多いときはキッチンペーパーで軽くふくとやりやすいです。
4.お皿の上にセルクルをのせます。セルクルがなくても大丈夫!平皿の上にそのままなだらかな丘のように重ねていったり、大きめの保存容器(丸でも四角でも)に入れて、ケーキのように切り分けるという方法もあります。セルクルの中にじゃがいもを敷き、マヨネーズを塗ります。マヨネーズは多めに塗るのがおすすめです。
5.次にニシンと玉ねぎをのせ、マヨネーズを塗ります。
6.次ににんじんをのせ、マヨネーズを塗ります。
7.次にビーツをのせ、マヨネーズを塗ります。このとき表面が鮮やかなピンク色になるようによくなじませます。
8.最後にゆで卵をのせます。
9.セルクルを取り外し、ディルを飾ります。
サラダ・ヴィネグレト Russian Vinaigrette Salad
ロシアの伝統的なサラダで、特にクリスマスやお正月に食べられます。見た目は華やかで凝った感じがしますが、味つけは油・酢・塩こしょうとシンプルで作りやすいサラダです。
ピクルスとザワークラウトの両方が入っているのが特徴的で、一見酸っぱそうにみえますが意外と食べやすいです。味つけする前に味見をしてみてもの足りなかったらピクルスやザワークラウトを増やしたり、酢を入れてみてください。反対に、ちょうどよい酸味なら酢を入れる必要はありません。
また、豆も必ずしも入れなくてはならないものではないのでお好みで省いてもかまいません。豆の種類もここではグリーンピースを使いましたがひよこ豆やキドニービーンズなどお好みのものを使ってください。
材料(2人分)
サラダ | |
ビーツ | 1個 |
じゃがいも | 1個 |
にんじん | 2分の1本 |
玉ねぎ | 4分の1個 |
きゅうりのピクルス | 1本 |
ザワークラウト | 40g |
グリーンピース | 20g |
ドレッシング | |
油☆ | 大さじ3分の2 |
白ワインビネガー | 小さじ1 |
塩 | 2つまみ~ |
黒こしょう | 少々 |
ディルなどのハーブ | 適量 |
☆ロシアではひまわり油を使うのが一般的ですが、キャノーラ油、オリーブ油などお好みの油(あまりクセのないもの)を使ってください。
作り方
1.鍋にじゃがいもとにんじんを入れて水からゆで、やわらかくなったら皮をむき1cm角に切ります。
2.ビーツも1と同様に鍋に入れて水からゆで、やわらかくなったら皮をむき1cm角に切ります。
3.ピクルスも1cm角、玉ねぎはみじん切りにします。
4.1、2、3とザワークラウト、グリーンピースをボウルに入れて混ぜ合わせます。
5.油、白ワインビネガー、塩、こしょうで味つけします。冷蔵庫に入れ味をなじませます。
6.器に盛り、上から刻んだディルを散らします。
ロソッリ Rosolli
ビーツやじゃがいも、にんじんなどに生クリームで作ったドレッシングを和えて食べるサラダで、フィンランドのクリスマスシーズンには欠かせません。フィンランドを含め北欧ではニシン漁が盛んで、塩漬けや酢漬けのニシンを入れるタイプもあります。
りんごは本来はタルト用の酸っぱめのもので作られることが多いようですが、今回は甘いふじで作りました。そのためどことなくフルーツサラダのような味わいです。ドレッシングの酢、砂糖、塩の分量はお好みで調整してください。酢、塩を控えめにするとよりフルーツサラダに近くなります。
材料(2~3人分)
サラダ | |
じゃがいも | 2個 |
にんじん | 2分の1本 |
ビーツ(なければ市販の水煮缶) | 2分の1個 |
玉ねぎ | 生食向け玉ねぎは2分の1個 普通の玉ねぎは4分の1~2分の1個 |
りんご(できれば紅玉など酸っぱいもの。ここではふじを使用) | 4分の1個 |
きゅうりのピクルス | 2本 |
ドレッシング | |
生クリーム☆ | 100g |
白ワインビネガー | 大さじ1 |
砂糖 | 小さじ1 |
塩 | 小さじ2分の1 |
白コショウ | 少々 |
ビーツのゆで汁 | 適量(今回は大さじ2) |
☆ さっぱりした味が好きな方は全量を生クリームにせずにヨーグルトを加えるのもおすすめです。ヨーグルトだけでも美味しいです。砂糖、塩はお好みで調整してください。
作り方
1.鍋にじゃがいもとにんじんを入れ、水からゆでます。やわらかくなったら鍋から出して冷まします。皮をむき1.5cm~2cm角くらいの角切りにします。
2.ビーツは洗って周りの土を落とします。深めの鍋に丸ごと入れ、かぶるくらいの水、酢少々を加えてゆでます。竹串がすっと刺さったら(今回は30分強かかりました)鍋から取り出します。冷まして皮をむき、1と同じくらいの大きさの角切りにします。
※ビーツのゆで汁をドレッシングに加えてピンク色にしますが、ゆでる時間が長すぎたりするとゆで汁が茶色く変色します。酢が色止めになるので、酢を少量入れてゆでるか、色がきれいなうちにゆで汁を取って酢と混ぜ合わせておくといいですよ。ゆで汁が茶色くなってしまい使えない場合でも、和えればピンク色になります。
3.りんご、玉ねぎ、ピクルスも1と同じくらいの大きさに角切りします。(玉ねぎは、新玉ねぎや赤玉ねぎなど生食向けのものは同じくらいの大きさに角切り、普通の玉ねぎはみじん切りにするといいと思います)
4.1、2、3すべてを混ぜ合わせます。
5.ドレッシングを作ります。生クリームを七分立て(クリームが持ち上がるがツノが立たないくらい)にし、酢、砂糖、塩、ビーツのゆで汁を加えて混ぜます。
6.それぞれ別の容器に入れて冷蔵庫で冷やします。食べる直前に4とドレッシングを和えます。
ビーツのサラダ Rodbetsallad
ピンク色のクリームがロマンティックな、スウェーデンのクリスマスに欠かせないサラダです。このサラダではビーツのピクルスを使います。ここでは原産国スウェーデンのフェリックスの瓶詰めビーツを使いました。
甘めの味なので、りんごは酸味のあるものを使うのがおすすめです。味見をして酸味が足りなければマヨネーズやサワークリームを足したり酢を加えてみてください。
材料(2人分)
サラダ | |
ビーツのピクルス | 80g |
りんご | 4分の1個 |
玉ねぎ | 8分の1個 |
ドレッシング | |
サワークリーム | 30g |
マヨネーズ | 20g |
塩 | ひとつまみ |
白こしょう | 少々 |
ディルやパセリなどのハーブ | 適量 |
作り方
1.ビーツのピクルスとりんごは1cm角の大きさに、玉ねぎはみじん切りにしてボウルに入れます。
2.別のボウルにマヨネーズとサワークリームを入れよく混ぜます。
3.1を加えて混ぜ合わせ、塩・こしょうなどで味を調えます。冷蔵庫で冷やします。
4.皿に盛り、ディルを上に飾ります。