糖質制限と母乳の出

妊娠糖尿病だった人はそうでなかった人にくらべて将来糖尿病になりやすい。糖質制限で妊娠糖尿病を乗り切った私は産後も糖質制限を続けるつもりでいた。産科医が教える 赤ちゃんのための妊婦食という本の中には、産後も緩やかな糖質制限を続けたところ9割近くの人が次の妊娠では妊娠糖尿病にならなかったというデータが紹介されていて、ますます糖質制限をしようという思いを強くした。

一方で私は子どもを母乳で育てるつもりでいた。長男も完全母乳だったので、次男も当然のように完全母乳で育てようと思っていたのだ。それに母乳で育てると母親の糖尿病になるリスクも減少し、子どもも将来生活習慣病になりにくくなるという。長男のときは退院した日くらいから完全母乳でいけたので、今回もすぐに完全母乳に移行できるだろうと思っていた。ところが、全然うまくいかない。おっぱいを吸わせても吸わせてもちょっとするとすぐに泣いてしまう。その繰り返しに疲れてミルクを40㏄ほどあげるとやっと2,3時間眠ってくれた。ようやくひと息つけたけれど、悲しくなってしまった。

私がお世話になった産院では出産してから2週間後に母乳測定があるが、長男のときは+92ℊだったけれど今回は+30ℊもなかった。ますます悲しくなった。

周りはみんな「おっぱいを出すにはご飯とお餅が1番」と言う。実際私は長男のときは白米をたくさん食べた。赤ちゃんのウンチからはいつも白米の匂いがした。けれども今では1膳分のご飯ですら恐ろしくてとても食べられない。食べ物を残すのは大嫌いだったけれど、産院で出されたどんぶり茶碗いっぱいの白米も必ず半分は残した。やはりご飯を十分に食べないから母乳が出ないのだろうか。

1か月健診までの間暇さえあればネットや本で調べた。糖質制限で有名な江部康二先生のブログには「イヌイットは炭水化物をほとんど摂らなくても母乳育児をしているから、糖質制限しても母乳は出る」というようなことが書いてあった。糖質制限していても母乳が有り余るほど出ている人のブログも見かけた。いろいろな情報サイトを読んでみてもはっきりと「母乳を出すには白米」と書かれているものはほとんどなかった。

海外ではどうなのだろう。ふとそんなことを思った。調べてみると韓国ではわかめスープ、台湾では豚足、中国ではゆで卵などが母乳にいいとされているらしかった。また、母乳育児が必ずうまくいく本―誰もが知りたかった知恵とコツのすべてという本の中では、中国では魚とパパイヤのスープが母乳にいいといわれていると紹介されていた。エジプトやインドでは昔からフェヌグリークが使われてきたそうだ。

自分の家で自分で作るならともかく、今は里帰りして実家にご飯を食べさせてもらっている身だから「毎日わかめスープを飲ませろ」だとか「豚足料理を作ってくれ」なんてとてもじゃないが言えない。3歳の孫の世話までしてもらっているのだ。その点フェヌグリークのハーブティーなら問題なく飲めそうだった。私のような悩みを持つ人はたくさんいるらしい。ちょうどフェヌグリークをはじめとした母乳にいいとされる数種類のハーブをブレンドしたハーブティーが売られてあったのを見つけた。早速買って飲んでみた。確かになんとなく効果はある気がした。けれどどうにも口の中がヒリヒリしてしまって、2回飲んでやめてしまった。

そういうわけでハーブティーも失敗に終わり、結局完全母乳になることなく1か月健診を迎えることになった。ところが1か月健診の結果に仰天してしまった。なんと生まれたときに3098ℊだった子どもの体重は4600ℊにまで増えていたのだ。主に母乳を飲ませ、足りないときに粉ミルクを足すという感じで飲ませていたから、決して母乳の出が悪いわけではないことがわかった。その結果に安心すると、赤ちゃんのことをもう少し余裕をもってみることができるようになった。そしたらいろいろな発見があった。口に手を入れるのはおっぱいが欲しいからではなくてゲップがしたいサインのときもあること、おっぱいをくわえながらうとうとするのが好きなこと。それからこの子はちょっと吸う力と飲み込む力が弱いみたいだ。いつもかつもおっぱいが足りないせいで泣いているわけではない。第一私の妹は混合で育ったけれど、完全母乳で育った私よりもずっと健康だ。母乳が出るに越したことはないけれど、それだけがすべてではないのだ。 

とはいえせっかくなので、自分の経験や調べたことから母乳が出やすくなる方法について書き記しておきたいと思う。それは
・睡眠をしっかりとること
・水分をしっかりとること
・おっぱいをいっぱい吸わせること
・それなりに食事の量を摂ること
・疲れさせないこと
・軽く運動すること
である。

水分をしっかり摂ることとおっぱいをたくさん吸わせるというのは1番よくいわれていて、ほとんどどの情報サイトや本を読んでも書いてある。

睡眠をしっかりとることと疲れさせないことも大切だ。私の母は私を出産してから1か月の間文字通りご飯を食べ赤ちゃんの世話をする以外は寝る生活を送っていた。「血の道に走る」といわれ新聞を読もうものならすぐに取り上げられたそうだ。この生活は産後の回復を促すだけではなくて、母乳を出しやすくする効果もあったのではないかと思う。実際私も産後数週間はちょっとスマホやパソコンを見るだけでも目がとてもチカチカした。そして目が疲れてくればくるほど母乳の出が悪くなったように感じた。睡眠も同様で、寝不足だとどんなにご飯を食べても全然出ない。その代わりちょっとでも眠るとおっぱいが重くなり張ってくるのを感じた。

母乳は血液だから、血行をよくするのも大事らしい。あくまでも実感でしかないけれど、産後1か月を過ぎて軽めの筋トレを始めてからなんとなく母乳の出がよくなったように思う。

食事の量については、授乳婦は1日350~500㎉上乗せして摂ることが推奨されている。糖質制限をしていた身としては正直カロリーというものがどれほど信用できるものかわからない。でもこちらも自分の実感として、ある程度お腹にたまるくらいは食べないと母乳は出ない。お腹が空いているご飯前の時間帯はあまり出ないし、ご飯を食べてしばらくするとおっぱいがたっぷり出てくる感じがする。

それから母乳といえば絶対に書いておきたいのがキャベツのこと!私は妊娠中ご飯の代わりに生キャベツを食べていて、産後も生キャベツを常食しようと思っていた。ところが生キャベツを食べていると赤ちゃんの様子がおかしいのである。しょっちゅう苦しそうだし、しょっちゅうウンチをする。なんでなのだろうと思っていたら、ヨーロッパではキャベツは授乳中は食べてはいけないといわれているのだそうだ。赤ちゃんのお腹にガスが溜まりやすいらしい。あくまでも民間信仰として語り継がれているような話で、私も知ったときは「まっさかぁ」と思っていたのだけれど、実際問題レタスに変えたら治まってしまった。あくまで自分の経験だけだけれど、何を食べたかで母乳の成分は多少変わってくるものなのかもしれない。



2020.9.追記:その後糖質制限はやめて徐々にご飯の量を増やし、今では1食150~200ℊのご飯を食べるようにしています。2ヶ月頃~5ヶ月までは1日大体60㎖のミルクをあげていましたが、子どもも大きく、健診で「ミルクいらないかもね」と言われたこともあり、里帰り先から戻ったのを機に完全母乳にしました。あくまで自分の経験から思うことですが、ご飯は1食最低120ℊは必要な気がします。

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