子どもの発想から生まれた料理・にんじんおひさまポテト
あるひ、いちごろうがようちえんからかえってくると、おかあさんがいいました。
「あ~あ、もうなべのきせつじゃなくなってきたし、ばんごはんはなににしようかなぁ」
いちごろうは「ぼく、じゃがいもがたべたい!」といいました。
きっと、あさテレビできいたじゃがいものうたがあたまにのこっていたのでしょう。
「そうだ、にんじんおひさまポテトなんてどう?」
それをきいたおかあさんはぱっとかおをあかるくしました。
「まぁ!かわいらしいなまえ。それにとってもおいしそう。ようし、おかあさん、にんじんおひさまポテトつくってみるね!」
さっそくおかあさんはじゃがいもを2ことりだすとあらってかわをむき、ちいさくきってからなべにいれ、ゆではじめました。
そのあいだににんじんを1ぽんとりだしてあらい、スライサーでせんぎりにしました。
じゃがいもがやわらかくなったらなべからとりだして、マッシャーでつぶします。
かたくりこをスプーンでふたさじほどすくっていれ、すこしこねると「あら、いれすぎちゃったわね」といい、こんどはじゃがいものゆでじるをすこしくわえてまたこねました。
「ここににんじんをいれてと。」
にんじんをいれてこねると、しろかったじゃがいもが、おひさまのようなだいだいいろになりました。
「さあて、やきましょう」
フライパンをひにかけてあぶらをひくと、おひさまいろをしたじゃがいもをまるくひらたくのばし、ふたをしました。
じゅーじゅーぱちぱちというおとがしていいにおいがしてくると、おかあさんはおはしですこしもちあげて、やけぐあいをみてみました。
「こげめもついておいしそう。それじゃあひっくりかえしましょう」
おおきなおさらをつかってしんちょうにひっくりかえします。
それからまたすこしやいたあと、「これでできあがり」とおさらにうつしました。
「これだけでもおいしそうだけど……」そういうとおかあさんはれいぞうこからケチャップをとりだし、かおをかきました。
「こうするともっとおひさまみたいでしょ」
「わぁ、ほんとだ」
いちごろうははやくたべたくってしかたありません。いそいでおもちゃをかたづけて、てをあらいにいきました。
「いただきま~す」
ひとくちたべると、じゃがいもがとろ~りくちのなかにひろがっていきました。
「おいしい!」
いちごろうはあっというまにたべおえ、おかわりしました。
おとうさんもおとうとのにんじろうもむしゃむしゃたべています。
「チーズやベーコンをいれてもおいしいんじゃないかしら。いちごろうはどちらもすきだから、こんどやってみようね」
「わぁい、たべたいな!」
いちごろうはとってもうれしいきもちになりました。
ごはんをたべおわると、ブロックでまほうのつえをつくり、おかあさんのあたまのうえにむかってふりました。
「なにをやっているの?」
おかあさんがききました。
「まほうをかけているんだよ」
いちごろうはこたえました。
「まぁ。どんなまほう?」
おかあさんがうれしそうにききました。
「はい、これでかわいくなったでしょ」
いちごろうはおひさまのようなえがおでこたえましたとさ。
おっしまい。