テンペ好き
テンペを初めて食べたのはほんの1年前のことで、テンペ歴はまだまだ浅い。だがあの旨さを味わってからというもの、テンペは我が家で欠かせない食材となった。業務スーパーに行けば必ず数袋まとめ買いし、冷凍庫のストックは切らさないようにしていた。テンペは「東洋のチーズ」といわれることもあるそうだが、確かに植物性食材とは思えないボリュームと旨味があり、毎回食べるのが楽しみな食材のひとつだった。しかし最近業務スーパーからテンペが消えてしまった。
とてもショックだ。我が家の周りではテンペが置いてあるお店は業務スーパーくらいであったし、ネットショップを含め他店とくらべるとずっと安く買えた。
おかげでここ1年でいろいろなテンペ料理に挑戦することができた。自分でもレシピを考えた。そのほとんどはクックパッドに載せたが、ひとつだけ載せていないものがある。それは「芽キャベツとテンペのフライパングリル」という料理だ。これはとても簡単で、半分に切った芽キャベツと同じくらいの大きさに切ったテンペをオリーブ油をひいたフライパンでこんがりと焼く。仕上げに醤油とレモン汁をじゅっとかければ完成だ。
芽キャベツとテンペがよく合って美味しいのだが、このときはテンペ料理に関する知識がほとんどなく、後からやはりテンペは下味に漬け込んだ方が美味しいのではないかと感じ、結局載せずじまいである。
気に入って何度か繰り返し作っているのはクックパッドで見た味噌とすりおろしたニンニク、甘味を混ぜ合わせたタレに漬け込んで焼くというものだ(レシピ)。味噌のコクとまろやかさが独特の酸味のあるテンペとマッチして最高に美味しい。味噌の場合は漬け込まずともしっかり味がつくので、時間がない時は小さめに角切りにしたテンペに調味料を加えてフライパンで炒め、ご飯にのせてどんぶりにしている。
サンドイッチも大好きな食べ方のひとつだ。みずみずしい野菜をたっぷりはさむと、それ自体ではやや喉太いテンペもぐっと食べやすくなる。舌触りなめらかなアボカドもぜひ加えたい具材のひとつだが、テンペもアボカドも脂質が高い。一度この2つを入れてサンドイッチを作ったところ、食べた後ずっとお腹が重くなってしまったので、それ以来この2つを一緒にするのは控えるようにしている。
テンペ菌を購入して自分でテンペを作ることも考えたが、大豆の皮むきなどもろもろの作業を考えるとなかなか重い腰が上がらない。次にテンペが食べられるのはいつだろうかと肩を落としていたところ、たまたまふらっと立ち寄った自然食品の店でテンペを発見した。灯台下暗しとはこのことだ。業務スーパーでの販売再開を願いつつ、これからはここのお店にお世話になろう。気づかなかっただけで、自分を幸せにしてくれるものは案外身近なところに存在していたのである。
追記:その後別メーカーのを試したら、全然違う味だったので夫婦でショックを受けました。夫が調べたところによると、国産のテンペは酸味が抑えられマイルドな味わいにしてあるものが多いようです。あの味に再会するにはもうテンペ作りデビューするしか方法はないのかも……。