白インゲン豆のフムス
先日白インゲン豆のフムスを作った。ゆでたインゲン豆にタヒニとレモン汁を適当に加え、フードプロセッサーでペーストにしただけのとても簡単なものだ。塩の代わりに梅酢麹を加えてみても美味しかった。(ところで最近麹をいろいろな調味料と合わせた〇〇麹をよく見る気がしているのだけど、少しずつ定着化しつつあるのだろうか。私も醤油麹と梅酢麹を作ってみたが、旨味とまろやかさがアップしてとても美味しかった。刻んだ玉ねぎやにんじんを加えるコンソメ麹もいつか作ってみたいし、麹のレシピを考えるのも面白そうだ)
この白インゲン豆のフムスはForks Over Knivesのレシピを参考にしたものだが、フムスはひよこ豆だけのものにあらず。他の豆でも自由に楽しむことができるのだ。WFPBを知ったことで、豆料理のレパートリーがぐっと広がった。それに豆だけで――スープにベーコンを入れたり、フムスにたっぷりのオリーブ油を加えなくったって――「美味しい!」と言ってもいいのだ。豆好きとしてはとても嬉しいし、心強くもある。
WFPBについて知る前は、正直に言って海外の料理は油も砂糖もたっぷり使う料理ばかりで不健康だと思っていた。美味しそうで作ってみたいと思うものもたくさんあったが、カロリーを考えると尻込みしていた。だからWFPBなんていうスーパーヘルシーな食事法が存在していると知ったときは心底驚いた。ヘルシーなだけではなく華があり、料理もそれを実践している人達もとても生き生きとして見えた。一気に引き込まれた。
WFPBの魅力的な世界にどっぷりと浸っていると、ある日外の世界と鉢合わせてしまったとき、自分の嗜好が一般とは大きく異なってしまったことにとまどいを覚える。確かにこの世界は、傍から見れば少し独特かもしれない。私も妊娠糖尿病さえ経験しなければ、きっとここまで自分のこととして捉えていなかっただろうし、今とは違った目で見ていただろう。
しかし、たとえばインスタグラムを見ればほら、そこには現実世界では決して知り合えなかったであろう菜食でつながった人達がたくさんいる。彼らのとびきり美味しそうな料理や工夫を凝らしたレシピにはいつも励まされる。
私は完璧な菜食主義者ではない。だからこんな風にWFPBの魅力を語るのはお門違いかもしれない。料理の腕もからっきしの劣等生。でも確かグレガー博士も著書の中で、カリカリのベーコンを入れなければサラダが食べられないのだったら入れたらいい、今よりもたくさん野菜を食べることから始めようと書いてはいなかったっけ。とにかく、WFPBの世界ってとてもおもしろいのだ。中途半端にでもぶら下がっていたい――しかめ面をしながらそんなことを考えていたが、たっぷりの豆と野菜のサラダをほおばっているとそんなことはどうでもよくなり、気づけばお腹も心も満たされていた。